創業当時から「安全運転と親切」をモットーに、地域に根差して60年。所沢交通は「がんばった人がきちんと報われる仕事場づくり」に努めている。
　先代の頃より、社長と社員・社員同士の距離が近く、「困ったときは社長に相談する」という共通認識が広まっているようで、何かあると社長のところに社員が相談に来るのだそう。「お金の問題や働き方など相談内容はさまざまです。意図的にというよりは、社員同士がそういう認識を持ってくれているのではないでしょうか」と話す社長は、ときには社員の家族のプライベートな悩みも含めてサポートするといい、時代が変わっても変わらない良さを残している。
　「他の会社さんと違うのは、朝には必ず点呼で管理者と顔を合わせることです。出退勤が自由な会社だと誰とも会わないこともあると思うのですが、当社のシステムだと人の目がある、顔を合わせる機会がある、それは大きいかなと思います」と、ストレスチェック実施に際してもこれを活かして高い受検率を維持しているという。運転に関わる仕事なので、出勤時に毎朝、運行管理者が行うアルコールチェックや体調の確認は欠かせない。ストレスチェック実施時期には点呼を行う場所の隣に提出BOXを置いているそうだ。また、義務ではないという前置きをしながらも、できれば全員回答してほしい旨を伝え、朝の「おはようございます」の挨拶のあとに、細かく受検勧奨の声かけを行っている。

　また今年に入り「働きやすい職場認証制度」の「一つ星」を取得した。これは「タクシーやバス、トラックなど自動車運送事業の運転者の労働条件や労働環境について、一定の基準を満たしている『働きやすい職場』として認証された優良な事業者を認定する制度」で、役員として関わっている県のタクシー協会が推進していることもあり取得したという。次の更新時には福利厚生面などの充実を図り、「二つ星」の申請をしたいと思っているそうだ。現在、運輸業界は業界全体が働き方改革の波の中にあり、今後は法令で残業時間など勤務時間の制限がかかるようになる。それがどう影響するかはわからないが、ストレスチェック実施後の集団分析データなどを見ながら課題があれば取り組むようにしたいと今後の活用についても意欲を見せる。長年勤める社員もいる中、定年後に入社する方や20代の若い社員も多いという。今後も変わらずアットホームな社風を大切にしながら、より便利で親しみやすい地域の足として優しさを込めたサービスを提供していくという、地域に根差す企業ならではの雰囲気が伝わった。

受賞法人ご担当者からのコメント

受賞法人の「ソシキスイッチ ストレスチェック」導入事例