新型コロナ流行で健康診断・ストレスチェックはどうなる?:緊急事態宣言

   

新型コロナ流行で健康診断・ストレスチェックはどうなる?

安全衛生に従事する方にとって、4月・5月の一大イベントといえば「健康診断」、例年であれば雇い入時健診も併せて実施される企業が大半かと存じます。

企業の義務として必ず行わなければならない健康診断ですが、新型コロナウイルス感染症のこともあり実施自体が危ぶまれたり、例年にない対応・判断が求められ頭を抱える担当者の方もおられるでしょう。

延期は可能? いつまで?  実施するならばどんな対策が必要?
事業主の皆様が知りたい 「健康診断に関する発表」を 、厚生労働省発表の通知・Q&Aからまとめました。
 

「一般的な健康診断」は6月末まで延期を

日本の企業の多くは、春先に 「定期健診 (事業者健診)」と「雇い入れ時の健康診断」を行っていることでしょう。 これらの健康診断は労働者にも受診義務がある、労働安全衛生法が定める 一般的な事業者に課せられた安全配慮義務のひとつです。

しかし、企業主体で行われる健康診断は主に「集団健診」、日を決めて健診会場に集まり 閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する という感染拡大リスクのある行為です。2020(令和2)年2月25日に決定された「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」においても、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大するリスクがあることが示されています。

それを受けて、厚生労働省は2020(令和2)年3月11日付けの通知において、雇入時の健康診断 / 定期健康診断 / 特定業務従事者の健康診断 が定められる期間およびタイミングでの実施ができなくても「差し支えない」とされています。

ですが3月以降の感染拡大状況を受け、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」および4月21日付通知において雇入時の健康診断 / 定期健康診断 といった一般的な健診の実施時期を令和2年6月末までの間延期 (7月以降の実施対応) してよいという見解※が示されました。

この延期対応について、特段の申請や事前相談といった手続きは設けられていません。

※ 令和2年4月28日現在情報
 

じん肺・特殊健診は3密に配慮して実施を

この Q&A において、重度の健康障害の早期発見等を目的とする
★有害業務従事者への特別項目のある健診
 ⇒特殊健診・じん肺健診・歯科医師による健診が含まれます
★給食従業員の検便
については 「法令に基づく頻度で実施いただく必要がある」として 「密閉」「密集」「密接」 のいわゆる「3密」要素を避けた定期実施を呼びかけています。

3密を避ける対応として、以下のような対策の実施と徹底が推奨されています。
⇒ 健康診断の会場の換気
⇒ 健康診断の受診者又は実施者が触れる可能性のある物品・機器等の消毒の実施
⇒ 1回の健康診断の実施人数を制限する


実施形態や勤務状況・内容により「3密要素を避ける対応」が行えない場合、一般健診と同様に6月末までの延期(7月以降の実施)とされています。この場合も同様に特段の手続きは設けられていませんが、従業員の健康を守るためなるべく実施できるよう、労働基準監督署に確認と相談を行いましょう。
 

対応は6月末までの限定的なもの
ストレスチェックは「”弾力的”な実施」を

「健康診断の延期」は6月末までの限定的な対応となっています。

5月・6月の感染状況によっては、さらなる実施の延期や個別受診の勧奨・実施方法が変更されるなどの可能性もありますので、厚労省の発表には今後も注意が必要です。

安全衛生委員会などは開催を延期するほかに、テレビ電話による会議方式 など3密を避けた開催が推奨されています。補助金なども運営されていますので、事務や経営といったバックオフィス業務に積極的なテレワーク導入を!

また、ストレスチェックなどその他安全衛生に関連する制度については、延期や実施方法のIT化など企業の実情に沿った工夫が求められてゆくこととなるでしょう。 延期 や実施の方法について、別記事に詳細をまとめましたのでご参照下さい。
 


末筆となりましたが、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々へ謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。

対策やご対応に苦心されているご担当者様においては、貴社と従業員の皆様が健やかにこの時節を乗り越え、影響が最小限に留まりますように。このコラムと弊社サービスが微力ながらお力になれればと思っています。
 

〔参考文献・関連リンク〕

初出:2020年05月01日 / 編集:2020年05月08日

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