新型コロナ流行で健康診断・ストレスチェックはどうなる?労基署に再確認しました。:2021年緊急事態宣言再発令

【緊急事態宣言 再発令】新型コロナ流行で健康診断・ストレスチェックはどうなる?

安全衛生に従事する方にとって、4月・5月の一大イベントといえば「健康診断」、例年であれば雇い入時健診も併せて実施される企業が大半かと存じます。

企業の義務として必ず行わなければならない健康診断ですが、新型コロナウイルス感染症のこともあり実施自体が危ぶまれたり、例年にない対応・判断が求められ頭を抱える担当者の方もおられるでしょう。

延期は可能? いつまで?  実施するならばどんな対策が必要?
事業主の皆様が知りたい 「健康診断に関する発表」を 、厚生労働省発表の通知・Q&Aからまとめました。
 

「一般的な健康診断」は3密に配慮した環境での実施を

日本の企業の多くは、春先に 「定期健診 (事業者健診)」と「雇い入れ時の健康診断」を行っていることでしょう。

これらの健康診断は労働者にも受診義務がある、労働安全衛生法が定める 一般的な事業者に課せられた安全配慮義務のひとつです。

しかし、企業主体で行われる健康診断は主に「集団健診」、日を決めて健診会場に集まり 閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する という感染拡大リスクのある行為です。

「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」においても、閉鎖空間で人と会話する等の一定の環境では、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大するリスクがあることが示されています。

それを受けて、厚生労働省は2020(令和2)年3月11日付けの通知において、雇入時の健康診断 / 定期健康診断 / 特定業務従事者の健康診断 が定められる期間およびタイミングでの実施ができなくても「差し支えない」とされています。

「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」において雇入時の健康診断 / 定期健康診断 といった一般的な健診は いわゆる“三つの密”を避け、十分な感染防止対策を講じた実施機関・環境において実施してほしいという見解※が示されました。

3密を避ける対応として、以下のような対策の実施と徹底が推奨されています。
⇒ 健康診断の会場の換気
⇒ 健康診断の受診者又は実施者が触れる可能性のある物品・機器等の消毒の実施
⇒ 1回の健康診断の実施人数を制限する


この対応について、特段の申請や事前相談といった手続きは設けられていません。

※ 令和3年1月28日現在情報
 

じん肺・特殊健診も3密に配慮して「実施」を

この Q&A において、重度の健康障害の早期発見等を目的とする

★有害業務従事者への特別項目のある健診
 ※特殊健診・じん肺健診・歯科医師による健診が含まれます
★給食従業員の検便

についても、「法令に基づく頻度で実施いただく必要がある」として 「密閉」「密集」「密接」 のいわゆる「3密」要素を避けた定期実施を呼びかけています。

「健康診断」については、感染状況によって延期や個別受診の勧奨、実施方法の変更などの対策が講じられる可能性もあり、厚労省の発表には今後も注意が必要です。

従業員の健康を守るため、労働基準監督署に確認・相談を行いながらも、期限内に実施することが求められています。
 

ストレスチェックは「“弾力的”な実施」を

ストレスチェックなどその他安全衛生に関連する制度については、延期や実施方法のIT化など企業の実情に沿った工夫が求められます。

東京労働基準監督署からは、以下のような回答をいただきました。
 

現状では、「新型コロナウイルス対策を万全に行ったうえで、期限を守って実施していただきたい」という回答となります。
実施期限としてはこれまで通り「前回の実施から1年以内」に本年度のストレスチェックを行ってください。


自粛に伴い、休業・実施の延期・中止 集計スケジュールがずれることも予想されます。

そのような場合は必ず「その証明となる【記録】をもって、所轄の労働基準監督署に相談・報告してほしい」とご指示をいただきました。

延期が必要である証拠・記録となるものは、以下となります。

・安全衛生委員会の議事録など、延期・中止を決定した理由が説明できる記録
・外部委託企業や実施機関の発行する延期や休業に関する書類や説明書
・「対策をとることが難しい」旨を述べた、延期・中止の必要性を第三者に説明できる資料

厚生労働省のHPでは特にストレスチェックについての記載はありませんでしたが、同様に以下のような意見を伺うことができました。
 

「健康診断に適応された延期許可を拡大して解釈することはありません」
「安全衛生委員会と同様、対応を工夫するなど “弾力的に” 実施してください

延期を希望するとして、記録を伴う報告・相談を所轄の労働基準監督署へ行わなかった場合、「故意に実施期限を守らなかった」または安全配慮義務違反とみなされてしまう可能性があります。

労働基準監督署への報告のない、無断での延期・中止は「通常と同様」の違反として取り扱われることでしょう。

義務のある企業がストレスチェックの実施を怠った場合、「労働安全衛生法第120条」において最大50万円の罰金及び指導やペナルティの対象です。

また、安全配慮義務違反ととらえられると 、労働安全衛生法並びに労働契約法の違反としてさらなる罰則の対象となりえます。

中止や実施の延期の際には、一度所轄の労働基準監督署へ相談の上委員会などで内容の検討・報告を行うといった対応が安全といえるでしょう。

安全衛生委員会などは開催を延期するほかに、テレビ電話による会議方式 など3密を避けた開催が推奨されています。

補助金なども運営されていますので、事務や経営といったバックオフィス業務に積極的なテレワーク導入を!
 

 


新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下の対応や感染症対策に関する「新型コロナウイルス対策」記事一覧を設置しました。
少なからず、ご参考になれば幸いです。

 

企業の「新型コロナ対策」を再確認
「新型コロナウイルス対策」関連記事一覧
 

末筆となりましたが、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々へ謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。

対策やご対応に苦心されているご担当者様においては、貴社と従業員の皆様が健やかにこの時節を乗り越え、影響が最小限に留まりますように。このコラムと弊社サービスが微力ながらお力になれればと思っています。
 

 

初出:2020年05月01日 / 編集:2021年01月28日

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