2021年緊急事態宣言再発令:宣言解除の基準や要請内容を再確認

   

1都3県は【緊急事態宣言】再延長! 宣言解除の基準や要請内容を再確認

3月5日夜、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の緊急事態宣言を3月21日まで再延長することが正式発表されました。

2021年1月7日に発令された2回目の緊急事態宣言。
2月2日に栃木県を除く10都府県(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・愛知・岐阜・福岡)の緊急事態宣言延長が発表され、2月28日に1都3県を除く6府県は宣言解除となりました。

一方、東京・千葉県などの病床のひっ迫度合いと自治体側の要請を踏まえ、 政府は当初の発令期限として見込んでいた3月7日を前に「2週間ほどの宣言再延長」とする方針を固めていました。
 

“緊急事態宣言”発令下だけでなく、宣言前後でも要請内容に注意が必要

年始からの緊急事態宣言は、その論拠や真偽に関する意見は様々にあるものの、 “感染拡大に最も関連している” との名目で、飲食店や屋内外のイベント開催に対する規制要請を発するものでした。

緊急事態宣言発令下にあった自治体を中心に(その他の自治体でも)、「飲食店の営業時間短縮」「イベント開催要件の厳格化」「不要不急の外出や集会・宴会の自粛」などが求められ、事業主だけでなくビジネスパーソン個人に向けても日中を含む外出や移動の自粛を伝え、事業者に対しては「テレワークやローテーション勤務の推進」「出勤者7割削減を目指す」といった感染拡大対策への協力を強く求めていました。
 
2月13日には 改正特別措置法(特措法)も施行され、緊急事態宣言発令下の地域を中心に(その他の地域においても)、自治体側から「規制を命令」できるようになり、これらの命令に正当な理由なく応じない事業者に対し、再三の注意勧告にも従わない“悪質なケース”と見なされれば、行政罰として事業主には30万円以下の過料(金銭的なペナルティー) が課されることになりました。

感染者個人に対しても、改正感染症法によって正当な理由なく入院等の要請や、感染経路などの検査協力に従わない場合はペナルティーが科されます。
 

 

~要請内容の概要~

飲食店の営業時間短縮
・業種別の感染防止ガイドライン順守
・営業時間を午後8時までに短縮(宣言解除地域など一部で午後9時まで)
・酒類の提供を午前11時から午後7時までとする

 
イベント規模の縮小
・人数の上限を収容人数の半分か5,000人 のいずれか少ない方
 
☆事業者
・テレワークやローテーション勤務の推進
・「出勤者7割削減」を目指す


☆個人
・「日中も含め」外出や移動の自粛
・都道府県をまたぐ移動や大人数の会食を控えること、感染防止対策の徹底

 

 

上記以外に今回の再延長発表後、宣言下にある1都3県では自治体によって対策が異なるものの、飲食店における「マスク飲食(食べたり飲んだりする時以外はマスクを着用)」徹底や食事に際しての「黙食(黙って食事する)」を推奨するといった方針を打ち出しているほか、卒業旅行や歓送迎会、花見など春恒例イベントの自粛も求めています。

緊急事態宣言下にある自治体だけでなく、緊急事態宣言発令前や宣言解除後も「ステージ3」に相当する状況にある場合には、「まん延防止等重点措置」 として感染拡大防止の観点や感染リスクが高いとされる地域・施設に限定した時短営業の継続や酒類の提供時間が制限される場合がある点にも注意が必要です。

自治体によって制限内容が異なるため、自治体サイトなどの情報発信を必要に応じて都度確認してください。
 
今回、「ステージ4」「ステージ3」という言葉が報道サイトやテレビ番組でしばしば目にした方も多いと思われますが、緊急事態宣言あるいは制限解除の基準とされるその詳細についてはご存じでしょうか?
 

 

宣言解除の基準は【「ステージ4」脱却】

「6つの指標」と「4段階の感染状況 」

宣言の解除にあたっては、「4段階の感染状況」で最も深刻な【「ステージ4」からの脱却】が条件。対策の緩和は段階的に行い、飲食店の時短営業など感染防止上で必要となる対策は「ステージ2」相当の数値を下回るまで実施を継続するとも。

この「4段階の感染状況」とは、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」が定めたもので、都道府県ごとの感染状況を4段階(ステージ1~4)に分類し、ステージごとの対応策をまとめたものです。
  

▼ ステージ4: 爆発的な感染拡大 / 医療体制が機能不全に
▼ ステージ3: 感染者が急増 / 医療体制に支障
▼ ステージ2:
 感染者が徐々に増加 / 医療体制への負荷が蓄積
▼ ステージ1: 感染者が散発的に発生している

 

また、感染状況がどのステージにあるかを判断する指標は以下の6つです。
 

1. コロナ患者用病床のひっ迫率(病床使用率・重傷使用率)
2. PCR検査の陽性者数
3. 10万人あたりの療養者数
4. 10万人あたりの新規感染者報告数
5. 直近1週間と前週の比較
6. 感染経路が不明な人の割合

 
上記「6つの指標」をもとに、病床のひっ迫度合いや検査の陽性率、感染経路不明者の割合などと各地の医療体制を総合的に見て、国と自治体で協議し総合的に判断した上で「4段階の感染状況」のどのステージにあるかを決定しています。
 
ここでは参考までに、緊急事態宣言発令延長となった1都3県について、「10万人あたりの新規感染者報告数」「コロナ患者用病床のひっ迫率(入院者・重傷者)」「10万人あたりの療養者数」の数値をまとめてみました。
 

<緊急事態宣言下の地域における10万人あたりの感染者数>

10万人あたり
新規感染者
コロナ患者用病床の使用率
(病床使用率 / 重症使用率)
10万人あたり
療養者数
※ステージ4の
基準値
25人以上50%以上25人以上
※ステージ3の
基準値
15人以上 20%以上15人以上
東京12.78人31.3% / 30.3% 21.4人
神奈川8.43人 28.7% / 14.2%11.3人
千葉13.48人 50.9% / 15.9%24.3人
埼玉9.67人41.9% / 20.0%16.6人

※2021年3月7日時点、内閣府発表の数値をもとに作成
※「病床の使用率」「10万人あたりの療養者数」は は3月2日公表の最新数値を使用

 

そのほかの地域につきましては、日本放送協会(NHK)の「新型コロナウイルス特設サイト」や日本経済新聞 「47都道府県のコロナ感染 6指標で見るなどで適宜ご確認いただくことをおすすめいたします。
 

先週3月3日公表時点では、いずれの数値もステージ4の基準値を下回っていましたが、上記3月7日公表の千葉県の「病床使用率」がステージ4相当の数値に達してしまいました。1都3県以外の他地域でも、今なおステージ3の基準値内にあるところは多く、今後の検査やクラスター感染、重症化・入院数の増加によっては引き続きの再三の緊急事態宣言延長や新たに宣言発令となる地域が出てくる可能性もゼロではありません。

今回1都3県の再延長を決めた背景として「病床の逼迫状況の改善が不充分」とする見解が先行して取りざたされていましたが 、正式発表後の首相会見や政府側、自治体側のコメントなどで
 
病床の使用率が高い地域がある
– 感染者が減少傾向にあるも減少スピードが鈍化
– 人手の増加などから数値再増加のリバウンドも懸念
– 変異ウイルス感染への懸念

といった点が憂慮され、首相会見では「特にリスクが高いのは、マスクを外した会話が多くなる飲食であり、そこが対策の中心」とする発言が出ていました。
 
少なくとも、解除後に再度感染拡大することがないよう、この「ステージ」と「6つの指標」を厳正に見極めているよう見受けられます。
 

事業者支援と今後の動向は?

営業時間短縮の要請に応じた飲食店には、「協力金」として各自治体判断で1店舗あたり6万円/日(1カ月で最大180万円の予想)を支給。通常国会の質疑応答や宣言再延長正式発表以降の東京都知事会見などでも、宣言解除となった地域でも21時までの時短営業に従う店舗には4万円/日を継続支給するといった言及がなされています。

企業には引き続きテレワークへの協力を要請し、出勤者の7割削減を目標として補助金や助成の周知と共に呼びかけを行っています。時短協力金や 一時支援金(飲食店以外も対象・地方公共団体から時短営業の要請を受けた「協力金」支給対象の飲食店などは給付対象外、3/8申請受付開始)、雇用調整助成金ほか詳細発表を控える助成金・補助金制度等の追加情報への注視も欠かせません。

無症状者のモニタリング検査を今後拡大していくほか、 感染者が多い地域では高齢者施設での作業従事者など約3万施設への検査を3月末までに集中的に実施するとの発表もあり、変異ウイルスの検疫を含む国内の監視体制強化を掲げていることからこれからの数値増減も気になるところです。
 
厳しい状況はまだしばらく続くようです。

 

 

 

 

※2021年3月8日追記
3月5日の再延長正式発表を受け、現時点までの首相・政府・自治体会見発表の内容を反映した加筆・修正や、3/8~申請受付開始となった経済産業省「一時支援金」特設サイトへのリンクを追加しました。

※2021年3月4日追記
1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の緊急事態宣言は再延長の見通しとの政府側答弁を受け、加筆・修正致しました。

※2021年2月16日追記
改正「特措法」「感染症法」施行と緊急事態宣言の現況を踏まえ、「要請内容」の記述要約と、「4つのステージ」と「6つの指標」を加筆・修正致しました。

※2021年2月8日追記
「特措法」「感染症法」改正法成立と2月13日の施行予定を踏まえた 別記事 を更新しました。罰則規定や企業など事業主への影響範囲に関する現況別記事 の方をご確認ください。

※2021年2月3日追記
栃木県を除く、10都府県(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・愛知・岐阜・福岡)の緊急事態宣言延長(現状では3月7日まで)が発表されました。栃木県については2月7日に緊急事態宣言解除となる見通しです。

11ヶ国・地域(中国、韓国、タイ、ベトナム、カンボジア、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ミャンマー、ラオス、台湾)とのビジネス往来を含む外国人の入国を原則停止も引き続き継続となっています。

※2021年1月28日追記
緊急事態宣言下の現況を含む、新型コロナ禍での健康診断・ストレスチェック実施に関する記事は別記事に集約致しました。


新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下の対応や感染症対策に関する「新型コロナウイルス対策」記事一覧を設置しました。
少なからず、ご参考になれば幸いです。

 

企業の「新型コロナ対策」を再確認
「新型コロナウイルス対策」関連記事一覧
 

末筆となりましたが、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された方々へ謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。

対策やご対応に苦心されているご担当者様においては、貴社と従業員の皆様が健やかにこの時節を乗り越え、影響が最小限に留まりますように。このコラムと弊社サービスが微力ながらお力になれればと思っています。
 

 

〔 参考文献・関連リンク〕

初出:2021年01月08日 / 編集:2021年03月08日

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