AltPaperストレスチェック業界平均値レポート2019を公開

   

AltPaperストレスチェック実施企業の業界平均値レポート2019公開!製造業に次いで宿泊・飲食サービスに高ストレス者が集中、「従業員ケア」が重要に

株式会社情報基盤開発では、昨年2019年に「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいたお客様からのご提供データを元に、各業界の高ストレス者の割合・総合健康リスク・各種ストレス尺度について平均値を算出、分析した「ストレスチェック業界平均値データ」を公開致しました。
 

2019年業界別ストレスチェックデータ分析!製造業は引き続き「高ストレス環境」の判定

今回公開する2019年「業界平均値」データは、当社サービス「AltPaperストレスチェックキット」を2019 年中に実施いただいた事業者を対象に、集団分析結果のご提供の承諾を個別に伺い、同意いただいた事業者のデータのみを用いて分析を行ないました。2019 年 12 月末日までに当社で集計を完了した 962 事業者の男性 84,328名、女性 68,806 名、計153,134名のデータが含まれます。

※2019年単年の「AltPaperストレスチェックキット」導入事業者数は約1,800社、受検者数は約30万人
 

事業者ごとに男性と女性のデータを分け、高ストレス者の割合・総合健康リスク・各種ストレス尺度の平均値および業種別の平均値を算出した結果の要旨を以下に示します。
 

ストレスチェック実施結果概要(2019年度)
AltPaperストレスチェックキット2019年実施調査結果一覧
 
  » PRTimes配信レポートPDF版で図表を確認する
 

本分析の結果、2019年度に実施されたストレスチェックでは「同業種内では全体的に女性よりも男性の方が高ストレス者の割合及び総合健康リスクが高い傾向」にあることが分かりました。2017年・2018年度業界平均値(弊社調べ)においてもこの傾向は確認されています。

この結果から、日本全国において就労の現場で「男性の方がより肉体的・業務的に高負荷の業務にあたる」ケースがいまだ一般的なのではないかと推測されます。

また、E. 製造業/M. 宿泊業,飲食サービス業の従事者については、男女共に高ストレス者の割合及び総合健康リスクが高く出ています。

さらに、業種別に見ていくと、男性の高ストレス者の割合が15%以上を占めたのは、
 E. 製造業
 G. 情報通信業
 I. 卸売業,小売業
 M. 宿泊業,飲食サービス業
 P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業

です。

一方で、女性については、高ストレス者の割合が15%を超える業種は
 E. 製造業
 M. 宿泊業,飲食サービス業

の二種類でした。

総合健康リスクについては、ほとんどの業種で全国平均の100前後に納まる数値が見られています。健康問題発生リスクが全国平均より10%高いと推定される業種(全国平均100を10上回っている業種)はE. 製造業のみという結果になりました。
 

全体的には環境は改善傾向、総合健康リスクが良くても高ストレス者には注意

男性で総合健康リスクが100を超えたのは、
 E. 製造業
 H. 運輸業,郵便業
 I. 卸売業,小売業
 M. 宿泊業,飲食サービス業
 P83. 医療業
 P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
 Q. R.複合サービス事業・ 公務(他に分類されないもの)
 T. 分類不能の産業

です。

女性では総合健康リスクが110を超えた業種は見られませんでしたが、E. 製造業、H. 運輸業,郵便業では、比較的高い数値が出ています。

従業員数別では、中小企業にあたる50~99人、100~299人レベルの企業は比較的総合健康リスクが高くなるが、高ストレス者割合では小規模・大規模である~49人、1000人~レベルの企業で高まるという傾向が見られます。

全体を通して見ると総合的に健康リスクは100前後に納まる業界が多く、就労環境の改善が現れていると考えられます。また、2019年度も「高ストレス者の割合が高いにも関わらず総合健康リスクは低い」という、通常想定される結果とは逆の関係性が生じた業種が見られました。
  

【業種別ストレス平均値 調査結果詳細】

  • 調査方法

 業種別ストレス平均値は、弊社の「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいた事業者様の中で集団分析データをご提供いただいた事業者様のデータのみを用いて、男女別・業種別に分析しました。2019年にストレスチェックを実施され、2019年12月末日までに弊社で集計を完了した934事業者様の男性84,328名、女性68,806名のデータを使用しています。

 比較の基準としている「全国(厚労省データ)」は、“厚生労働省科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「職業性ストレス簡易調査票及び労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究」平成19年度総括・分担報告書 表4 職業性ストレス簡易調査票下位尺度の職種別平均値及び標準集団との比較”が出典です。

 集計につきましては、事業者様ごとに男性と女性を分けて、高ストレス者の出現割合、健康リスク、各尺度の平均値を業種ごとに算出しました。

———————-

※業種の分類:日本標準産業分類の大分類(一部中分類)
A. 農業・林業,B. 漁業,D. 建設業
E. 製造業
F. 電気・ガス・熱供給・水道業
G. 情報通信業
H. 運輸業,郵便業
I. 卸売業,小売業
J. 金融業・保険業, K. 不動産業・物品賃貸業
L. 学術研究,専門・技術サービス業
M. 宿泊業,飲食サービス業
N. 生活関連サービス業,娯楽業
O. 教育,学習支援業
P83. 医療業
P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
Q. 複合サービス事業,R. サービス業(他に分類されないもの),S. 公務(他に分類されるものを除く)
T. 分類不能の産業
を使用しています。「C.鉱業、採石業、砂利採取業」については、今回の調査で該当する事業者様がございませんでしたので、省略しています。

 

仕事のストレス判定図

量-コントロール判定図(業種別・男性、女性)
量-コントロール判定図(業種別・男性、女性)
職場の支援判定図(業種別・男性、女性)
職場の支援判定図(業種別・男性、女性)

 

業種別に見た時に、総合健康リスクが110を超えたのは、男性のE. 製造業のみとなりました。女性の総合健康リスクについては、110を超えた業種は見られませんでしたが、E. 製造業では全国平均(100)を上回る数値が出ています。この業種については、量-コントロールによるリスク、職場の支援によるリスクも共に男女平均を超えており、特に男性の職場の支援リスクは110近くなっています。

一方で、量-コントロール、職場の支援リスクが男女ともに100未満であったのは、
 F. 電気・ガス・熱供給・水道業
 N. 生活関連サービス業,娯楽業
 O. 教育,学習支援業

です。

全体的に総合健康リスクの値は女性よりも男性の方が高いことが見て取れますが、例外的にF. 電気・ガス・熱供給・水道業については女性の総合健康リスクの方が高い結果がでました。
 

高ストレス者と総合健康リスクの関係性について

業種別高ストレス者の割合・総合健康リスク(2019年度)
業種別高ストレス者の割合・総合健康リスク(2019年度)
 
» PRTimes配信レポートPDF版で図表を確認する
 

通常は高ストレス者の割合が高いほど総合健康リスクの値は高くなると考えられます。高ストレス者の割合と総合健康リスクが共に低かったのは、「T. 分類不能の産業」を除き、

男性の
 F. 電気・ガス・熱供給・水道業、
 J. 金融業・保険業, K. 不動産業・物品賃貸業

女性の
 F. 電気・ガス・熱供給・水道業、
 H. 運輸業,郵便業、
 N. 生活関連サービス業,娯楽業


となりました。

男性のE. 製造業については、高ストレス者の割合が19%以上かつ総合健康リスクの値は110を超えています。

その他に高ストレス者の割合が高かった業種の中でも、

男性の
 I. 卸売業,小売業、
 M. 宿泊業,飲食サービス業
 P84-85. 保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業

女性の
 M. 宿泊業,飲食サービス業
 P83. 医療業


については、総合健康リスクも比較的高い数値が出ています。

一方で、高ストレス者の割合が高いにも関らず総合健康リスクが低い業種も散見されました。
例えば、男女ともに
 G. 情報通信業
 M. 宿泊業,飲食サービス業
 O. 教育,学習支援業
 P83. 医療業

は、総合健康リスクは100以下にもかかわらず、高ストレス者割合は10%を超え注意が必要な範囲を示しています。

逆に総合健康リスクが高いけれど、高ストレス者が低い業種はこの結果には見られず、「総合健康リスクの改善と並行して、従業員個別のストレスケアが必要」という仮説が考えられます。

「総合健康リスクが低い=職場のメンタルヘルスに問題がない」と一概には言えません。今後も各職場にあった継続的な対応・改善策の実施が望まれます。
 

職場環境と並行した「個人ケア」の重要性が浮き彫りに
男女間での傾向差にも着目したケアを

全体的に総合健康リスクは、基準である「100」に近づいた業界が増えました。働き方改革もあり、日本全体もしくはAltPaperストレスチェックキットをご利用されている皆様の労働環境が、おおむね改善方向に進んでいるのではないかと思われます。

ですが高ストレス者は依然として基準より高い業界が大半を占めており、「従業員個別のケア」がより重要性を帯びているのではないかとみられます。高ストレス者割合の傾向についても、男女差はあれど製造・卸、小売・宿泊飲食サービス・介護といった企業が高い割合にある報告となりました。

全業界を通して、男性の方が高ストレス者割合が高く「高ストレス環境・高プレッシャーに置かれているのではないか」と考えられますが、電気、熱供給などのインフラサービスおよび介護業界は男女で高ストレス者割合の逆転が見られました。
 

計算の違いや背後の環境にも注意した「分析」を

労働者全体の傾向としては、
男性は
・心身反応/身体的な負担が多いと感じる人が多い
・働き甲斐、満足度に関する項目のデータも総じて低め

という結果が出ました。

一方女性では
・結果全体を通してみるとよい職場環境にある人が多いといえる
・技能の活用度、同僚の支援、家族の支援に関する項目データが総じて低め

となりました。

健康リスクの算定要件から各項目及びより詳細なデータを確認すると、
女性は
・仕事の量が悪く
・上司からの支援がいい
男性は
・仕事の量がいい
・裁量度、上司の支援が悪い

といった結果が見られました。

計算の基準が異なる点も含めて考える必要はありますが、男女間で「ストレスの性質・方向に差がある」といえる結果だと考えられます。

今後、さらなる要因の特定のため、現在主に用いられている高ストレス者の定義づけや総合健康リスクの算出に追加して別の検討方法を模索していく必要があると思われます。
 


<本文注釈>

※1. データの取り扱いについて
・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。

・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。
 

2.「高ストレス者」とは
 厚生労働省(令和元年7月)が公表したマニュアルに基づいており、以下(1)及び(2)に該当する者を指します。

(1)及び(2)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度を基準とします。
 (1)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
 (2)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下
 

3.「健康リスク」とは
 基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」は、量-コントロール判定図と職場の支援判定図の二つをさらに男女別に分けたもので構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。
 
 ◆仕事のストレス判定図
  (1)量-コントロール判定図…仕事の量的負担とそれに対するコントロールの度合い(裁量権)による健康リスク
  (2)職場の支援判定図…上司の支援と同僚の支援の状況・バランスによる健康リスク
 

〔参考文献・関連リンク〕

〔 関連リンク〕

初出:2020年06月22日

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