金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業:ストレスチェック業種平均値レポート2019

   

職場環境は良好なのに高ストレス?金融業・保険業・不動産業は“見えない部分”のストレスに要注意!

AltPaperストレスチェック業界平均値「業種別レポート」から詳細解説

「AltPaperストレスチェックキット」をご利用いただいたお客様からデータ※1をご提供いただき、高ストレス者※2の割合・総合健康リスク※3・各種ストレス尺度について業種別に平均値を算出しました。

そのデータから業界に沿った詳細な分析・職場改善のご提案を【AltPaperストレスチェック業界別レポート】として発表しています。


第五弾は、「金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業」について、その背景と要因を分析し、従事されている方ご自身で行えるセルフケアなどをご案内いたします。
 

 

<2019年実施データ総覧>

ご協力いただいた企業はストレスチェックレポート全体で962事業所に登り、昨年度より255社の増加となりました。金融保険・不動産事業では全10社:男性1,261名・女性761名のご参加をいただきました。
 

〔業種別〕高ストレス者の割合・総合健康リスク(金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業):AltPaperストレスチェック業界平均値レポート2019

男女ともに総合健康リスクは90台と低く良好ですが、高ストレス者が10%を超えています。2018年・2017年のデータにおいても、この業界は同様の傾向が見られていました。

「良好な環境なのに、なぜ?」と思われる方も多いでしょう。一見矛盾しているように見えるこの結果は、どのような要因から来るものでしょうか。

この結果より、各業界の傾向とその背景、業界にお勤めの方にお勧めなケアを分析いたしました。
 

【業種別ストレス調査結果詳細】
金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業

[ 分析方法 ]
職業性ストレス簡易調査票における各尺度の平均値が全国データからどれほど乖離しているかを計るために、全国平均値を0とし、1から-1の間に全国データの7割が入るように、正規化数値※4を算出しました。
 

“個人の問題”に現れるストレスに注意。
働き方、休み方の見直しを

この業種ではほとんどの項目が全国平均を上回る結果で、職場環境は良好といえるでしょう。

仕事のストレス要因の中では「心理的な仕事の負担(質)」項目が目立ちますが、集中力や細かい所へ気を遣う作業が多い・取り扱いに慎重を期する情報に日々触れているといった業務内容に由来する面が強く影響していると考えられます。

他業界でよく改善点として挙げられる「心理的な仕事の負担(量)」「上司の支援」も良好で、総合健康リスクを算出する項目の高評価が総合健康リスクを引き下げていると考えられます。

ですが、全国平均を下回る「心理的な仕事の負担(質)」「家族からの支援」については引き続き改善の努力が必要でしょう。グラフ形からも、「長時間労働の常態化」や「コミュニケーションの低下」といったメンタルの疲弊に注意が必要です。

男性に関しては、心身のストレス反応の中でも「不安」「身体愁訴」を訴える方が多く、これが高ストレス者率の増加に影響していると思われます。
 

〔業種別〕ストレスチェック各尺度(金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業):AltPaperストレスチェック業界平均値レポート2019

個人的な問題も【仕事のストレス】かも?
コミュニケーションが取れる「時間」を

「心理的な仕事の負担(質)」のある業界では、「わかりにくい部分」にその影響が現れる事があります。

仕事から離れた家族とのコミュニケーションや「なんとなく・なんだか」感じる体の不調などは個人の問題として捉えられることが多いですが、その原因に仕事や業務から来るストレスが関係しているケースは多く見られます。

特に長時間労働が風土として定着している環境では、家庭のケア・家事の時間をきちんと確保することができず生活がおろそかになりメンタルに限らず後々の身体的な問題の遠因となることも。

また、家族と過ごす時間が少なくなる=家族の構成員間のコミュニケーションが減ることは、メンタル不調の予防の観点から見ると大きなマイナスです。このグラフでは、男女ともに「家族からの支援」が全国平均より落ち込んでいることが見られます。

不調の早期発見や家族からのケアは、不調の未然防止・早期回復には欠かせない要因です。それらが受けられないまたは受けにくい環境では、悪化してから周囲が気が付く・復職と休職をくりかえすといった環境にもつながります。

管理に注意の必要な情報の取扱いや厳しいノルマなど「勤務中ずっと」「集中力や不安を感じる」業務は業務後も緊張状態が取れず、イライラや落ちつかなさが現れる事もあるでしょう。そのような状態ではオンオフの切り替えが難しくなりますので、時間をかけてリラックス・リフレッシュに取り組むことが求められます。

「仕事」は業務内容・労働環境・個人の資質といった要素に分解ができますが、それぞれが相互に関係して初めて「本人の能力が存分に発揮される」環境になります。一つ一つの不調を「些細な事」とせず、原因を見つめていくことが高ストレス者割合の低下を促進します。
 

【セルフケア・改善案】
金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業

以上の結果から、業界従事者の皆さんに行っていただきたいセルフケアを提案いたします。
 

心の緊張には、「時間をかけて休む」こと。
一人で抱えないことが【 時短 】のテクニック

金融・保険・不動産業に携わる方々に限らず、ハードワークや仕事と家事育児の両立は「普通のこと」とお考えの方は多いでしょう。夫婦共働きの家庭も増え、ご家族の介護や育児といった負担を抱えている方も一般的になりました。精神力・集中力を求められるお仕事を一日過ごし、その上で家事をこなさなきゃと考えるのでは心身が休まる時間がありません。心の緊張をほぐす良い方法は、「時間をかけて休むこと」、家族や大事な人と過ごす時間、ゆっくり休む時間のためにもやらなければならないことはなるべく簡単に、できる範囲へ収める工夫をしてはいかがでしょうか。

生活の場である「家」で億劫なことといえばやはり家事。洗濯ものは畳まずにかけて収納する、時短になる便利グッズを使う、携帯アプリ等で食材やイベントを管理する……

昨今様々なアイデアがまとめられたり、家電や家事用品として製品化されました。家族全員で今ある家事の分担をリストアップしてみると、家事に対する目線の違いや負担の差を見つけることができます。優先度や重要度で重みづけを行えば、やらなくてもいい家事があるかもしれません。

お子さんや体力の少ない方にもできるように家事をアレンジするのは、実は誰もが使える「ユニバーサルデザイン」の発想と同じです。簡単にする、楽に行えるフローにすることで家族のだれもが家事やTODOに参加できると一人にかかる負担が軽減されるでしょう。

まずは当たり前に行っていることを客観的に見直すところから始めてみませんか。
 

必要なのは「安心して休む」こと。
【自分はがんばった】ときちんと感じてみよう

家事に関わらず、日常でしなければならないことを楽にする工夫を「手を抜いている」と感じることもあるかもしれません。

他人の資産に関与する事の多い業界に必要な「細かいところまで注意がいき届く」「几帳面で努力を惜しまない」といった資質は、時に「~~しなければならない」という考えにとらわれてしまう傾向があります。また、何か失敗をした時や「自分のがいけなかったのだ」という考えが浮かんではいませんか?

物事の結果や評価を自分でコントロールできる「内部統制型」の考えを持つ人は、ミスをこれまで以上の努力で補おうとしてしまいます。考え方を変えることは難しくても、自分の中での評価を変えることで安心感を得ることは明日から始められます。

今まで行ってきた努力を「○○をした」形式で書き出して、それぞれ点数をつけてみてください。全部を足したら、何点になりますか?

加点方式で行動を評価することで、自分の実績や行動をポジティブに捉えることができます。

また、人と暮らしているとどうしても自分ではコントロールができないことが起こるかもしれません。理想的な状態を100としたとき80・70にあたる部分を基準にして、「ここまでやれば、自分は がんばった 」というラインを設けましょう。

結果や原因の所在を探すのではなく、“手放す”・“評価する”ことでもっと楽に構えられるようになります。


本当に心身のケアにつながるのは、「家に居る」事ではなく「体や心を休める」ことです。 回復につながる休息は、衣食住といった物理的な環境のほかに「誰かと話せる、受け止めてもらえる」「認めてもらえる」安心が欠かせません。

「安心感」構築のために、まず同じ環境にいるメンバーとのコミュニケーション、自分の考えを話してみる・相手の考えを聞いてみる経験が必要です。
ご家族や職場の仲間と今一度、「当たり前」を見直してみてはいかがでしょうか。
 

 

 

 

 

 

<注釈>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.データの取り扱いについて
 ・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。
 ・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。

2.「高ストレス者」とは
 厚生労働省が公表したマニュアル(2015)に基づいており、以下(i)及び(ii)に該当する者を指します。(i)及び(ii)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度とします。
 (i)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
 (ii)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下

3.「健康リスク」とは
 基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」は、量-コントロール判定図と職場の支援判定図の二つをさらに男女別に分けたもので構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。

◆仕事のストレス判定図
 1.量-コントロール判定図…仕事の量的負担とそれに対するコントロールの度合い(裁量権)による健康リスク
 2.職場の支援判定図…上司の支援と同僚の支援の状況・バランスによる健康リスク

※4.「正規化数値」とは
 { (各尺度の値) – (全国平均) }/(全国データの標準偏差)×100を正規化数値と仮定しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

★業界平均値と自社データを比較できるカラーグラフを採用!
AltPaperストレスチェック新レポートリリース

9月1日より順次AltPaperストレスチェックの提供する集団分析結果レポートが、「一目でわかる」新デザインにリニューアル!

新たに分布図やカラーバー分析を搭載し、より対策優先度や部署ごとの特徴を「掴みやすい」・「社内に説明しやすい」紙面デザインに刷新いたしました。
 

 

新レポートに関するやお問い合わせや資料請求は、下記のフォームをご利用ください。

初出:2020年08月07日

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