対話を重視し、「誰もがゆとりを持って働ける環境づくり」を優先。年配スタッフの経験・多様な視点は大きな強みに
社会福祉法人愛隣館 グループホームつぐみ
本社所在地:埼玉県朝霞市溝沼7-10-7
創立:2018(平成30)年10月1日
事業内容:障がい者福祉サービス
共同生活援助事業・短期入所事業
その歴史は昭和27年に遡る。朝霞パブテスト教会により開設された保育園「白百合園」は、「人種が違っても子どもたちは平等」と子どもたちを守ることを第一に、その後も障がい児と健常児の統合教育を取り入れるなど、朝霞駐屯地に近い同地域の実情やニーズに応じてさまざまな家庭・子どもを支えてきた。同園が母体となり、現在の形で新たに法人を立ち上げて7年(2025年現在)になる。職員は同園の卒園者や、以前勤務していた教職員、保育園を活動の場としているボーイスカウト関係者など、全員が同園・地域との「ご縁」でつながっている。法人の歴史や背景、理念・価値観を共有していることが職員間の協力体制や働きやすさにとっては非常に大きい、と管理者の栗山氏は話す。さらに、利用者と同じ地域に住み、地域の実情に精通していることによる「共感の得やすさ」が信頼関係の土台となり、これらが虐待防止など複数のメリットになっているという。
幅広い年齢層の職員を採用している点も特徴だ。特に高年齢職員の活躍は、利用者の権利を守るだけでなく、職員一人ひとりの働く権利もケアしながら「どのような方が働いても働きやすい職場づくりを考える」同法人の理念や価値を体現しているように思う。「年配スタッフの経験を大きな強みと捉え、幅広い年齢・多様な視点を大切にしている」からこそ、上手く機能しているのではないだろうか。
高年齢の方には体調や体力を考慮し、週1回の勤務も可とするなど「ゆとりを持って働ける環境」を意識しているほか、夜勤対応者については特別業務従事者として、健康診断を年2回実施。有給休暇の取得を打診しつつ、休みが取りやすい環境を心がけている。それでも体調不良や家庭の都合などで急遽休みが必要になることもあるが、そういった場合にも「今日私が代わりに出るよ」など職員同士が各々の予定を調整して負担をカバーする雰囲気があり、自発的に勤務外でも「この日出勤できるよ」という相談も多く、協力体制が良好だという。
福祉事業所のため、利用者1名に対する職員の数や、常勤・非常勤にかかわらず、事業所として働く職員の時間数の基準を満たす必要があるなど法令で人員配置が定められている。国や自治体から支払われる介護報酬や決められた予算の中で施設運営をしていかなければならないため、小さな事業所ほどその苦労は大きい。そのような中で、同事業所は加算を取得することなどの工夫により、規定以上の手厚い人員配置で職員の不安やストレス軽減に努めている様子がうかがえる。
「例えば、制度上は利用者8名に対して夜勤職員1名で対応することが可能ですが、パニックや自傷他害行為などさまざまな行動障害をお持ちの方もいるなかで、もし発作や災害等が起こった時に1人で対応しなければならないと、やはり精神的な負担を感じます。もちろん緊急時には他の職員も現場に駆けつけますが、到着するまでは1人で対応しなければならないことになります。そういった不安な時間をつくらないために、規定の配置を心がけています。」

また管理者や常勤職員は、職員一人ひとりのケアも欠かさない。研修や日頃の関わりの中で「決して1人ではない」と繰り返し伝えることで、困難なケース・対応に困ることがあっても一人で抱え込まず、事業所全体で考えていくという共通認識を持ってもらい、不安の軽減を図っている。「福祉現場の経験がない方も多くいらっしゃるので、現場で話す時間や利用者さんと離れている時に職員同士でお茶を飲みながら話す時間を設けています。そういった時間も職員によっては不安軽減に必要な時間なのかなと感じています」とのことで、実際にそういった時間を取り入れたことにより、「気持ちが楽になった」「悩んでいたのは私だけではないんだ」といった声もよく聞こえてくるようになったそうだ。やり取りを増やすことで職員同士の仕事への対話が増えたことも事実だそうで、その積み重ねがあって今の働きやすさにつながっているのだろう、と栗山氏は振り返る。
「『働きやすい職場』とは、職員によって異なります。例えば事業所側がこの改革をしたら働きやすいだろうと思っても、職員側には伝わらない部分も多々ある。何が働きやすい環境なのかは一概には言えませんが、有休・福利厚生の整備を前提に、心のゆとりのある、ゆとりを持って働ける場所が優先ではないかと思います」とし、そのためには一人ひとりとの対話を重視していくことが大切だと強調する。
「今後も職員にとって働きやすい職場づくりと、利用者から選ばれる事業所づくり、その両立を目指して利用者の権利と職員の権利を守りながら事業所運営を行っていく。そして事業所の最大の特長として、外部求人には頼らない地域に根付いた人材確保と年齢不問の体制をこれからも大事にしていきたい。そのためにも、現在の良好な職員間の関係性が崩れないように日頃より、職員の精神面等を把握しつつ対話を心がけたい」との言葉からも、地域の福祉に携わる中で一貫して大切にしてきた想いと、利用者・職員一人ひとりと向き合う姿勢が伝わってくる。
ストレスチェックでは数値上は良好な職場と判断されているが、この結果がすべてだと考えてはおらず、職員の数だけ仕事の在り方、考え方、姿勢もさまざま。常勤・非常勤など働き方に関係なく、事業所の課題やストレスと感じている部分、結果に表れている部分もそうでない部分も丁寧にくみ取り、それを職員間で事業所全体のこととして共有していく。その細やかな心配りは、福祉業界だけでなく、他の職種・業界にあっても大切なことと改めて感じる。
また、前回のインタビュー時にも印象的だった「幅広い年代の方が働く職場ゆえの工夫」。年齢・役職問わず、皆が同じ目線・同じ立ち位置で現場に入り、お互いに学ぶ姿勢を持つことを日々実践する一方で、業務効率化や新たなシステムの導入に関しては職員の年齢や得意・不得意に配慮した進め方を取り入れている同法人の取り組みは、介護・福祉業界に限らず、多くの企業にも参考にしていただけるのではないだろうか。
受賞法人ご担当者からのコメント
現在、ストレスチェック実施については、努力義務の環境の中、職員に理解を得ながら取り組ませて頂いております。結果、数値上は良好な職場であるという判断ですが、そこだけに捉われず、各職員の仕事上の在り方、考え方等、本質な部分を汲み取りながら働きやすい環境を作っていきたいと思っています。当事業所が考える職員のための新たな改革と言えども、職員によっては=(イコール)働きやすい環境とは限りません。前提には職員と密なコミュニケーションと共通認識、困難ケースは一人で抱えない等しっかりと各職員に明確にしながらチームで運営していきたいと思います。
この度は、誠に有難うございました。
施設管理者 兼務 サービス管理責任者 栗山 享起 様
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