実施義務の有無に関係なく「社員と向き合うツール」としてストレスチェックを活用。月1回の面談と各種サーベイも併せたケアで、ともに成長していける会社を目指す
アークグロー株式会社
代表取締役
保母 孝夫 様
WEB実施のシステム、リーズナブルな価格、大学との共同研究参画が決め手に
「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービス導入の背景を教えてください

前職のソフトウェア開発会社で御社のストレスチェックを2年ほど利用していました。当時、初めてのストレスチェックで、総務担当として私が色々と調べて採用したのが御社のサービスでした。社員数が50人を超えたことに伴い、安全衛生委員会の立ち上げと定期的なストレスチェックの実施に向けた準備が必要になり、業界的なメンタル不調の多さからも、より良い就業環境を整えることが求められていた時期でした。
実際に使ってみて、社員の状態をさまざまな角度から分析できると感じていたので、自分で会社を立ち上げてからも情報基盤開発さんのストレスチェックを継続して使っていけたらと考えていました。
「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービス採用の決め手を教えてください
御社のサービスは、システム(WEB)化されていることやリーズナブルな価格、また大学との共同研究に参画しているため最新情報が得られることへの期待もあり、それらの魅力が採用の決め手となりました。前職で利用していた時とは違い、弊社はまだまだ小さな会社なのでストレスチェックの実施義務はありませんが、人数が多い・少ないは関係なく、社員一人ひとりと向き合っていくための一つのツールとして、できるだけ早くストレスチェックを導入したいと考えていました。
会社の立ち上げがコロナ禍だったこともありますが、事業形態を考えても全員が出社して同じ場所で仕事をする働き方ではないので、ツールを活用することで少しでも社員の日々のストレス状況を感じとることができたらという想いもあり、早期の導入を決めました。
月1回の面談・各種サーベイも併用。今後は集団分析と働き方の形態・個々に合わせた社員のケアを強化
実際に「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスをご利用いただき、いかがでしたか?
実施にあたって、オペレーション面は特に支障なく、社員にも抵抗感などはありませんでした。時間がかかりすぎることなく、WEBで手軽に回答できるのがよいのかなと思っています。
ストレスチェックをただやるだけでおしまいにはしたくないと考えていて、会社だけでなく、社員本人、その他のメンバー間でも開示できるところはしながら改善に活かしていきたいと思ってスタートしました。それと関連して、現在は月1回、面談を実施しています。その内容も業務についてだけではなく、例えばプライベートのことや、何か他の話題も交えながら会話が進んでいくよう工夫することで、社員の内面が少しでも垣間見られるといいなと思っています。ストレスは仕事だけではなく、プライベートも含む人間関係など色々なところで感じるものだと思うので、それぞれの社員が普段どのようなことを考えているのか、またどのようなことで悩んでいるのかをあぶりだすことができるよう、少しでも面談やツールを効果的に活用していきたいです。その上で、では何をどう変えていったらよりよくなるのかを本人を交えて考えていくのが理想ですね。
今後の「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスの活用についてお聞かせください
年1回のストレスチェックは全体像を見ることには役立ちますが、日常的なメンタルや気持ちの浮き沈み、人間関係の問題が発生していたとしても、ストレスチェックの結果には表れてこないこと、すぐに手を打つことが難しい部分もあると思うので、ストレスチェックだけでなくエンゲージメントサーベイなど他のツールと併せて活用しながら、もう少し短いスパンでの自分の気持ちの状態、人間関係や日々の悩みごとを少しでも共有できたらと。まずは少しでも相談してもらえるような環境づくりと対策を取りたいと思っているところです。

現在はまだ10名程度の会社なので、社内にチームはなく、それぞれが別の業務を常駐先などで行っているのですが、ゆくゆくは常駐型と請負型を半々にしていく予定なので、そうなった時に社内の上下関係なども出てくることを考えて、まずは会社全体の集団分析を実施して、社内のメンタル状態を測っておきたいとは思っています。というのも、客先で業務を行う常駐型と、業務を受注し社内で請け負う請負型では、人付き合いやチームの編成は色々と違ってきます。一概には言えないところも多いのですが、この業界は離職率が高く、特に常駐型中心の仕事をしている人は会社を移ることに慣れてしまっていて、何か問題が発生したときに会社として相談・ケアする前に辞めてしまうことも多い傾向があります。
例えば、意見の食い違いが起こった時、会社としては一緒に解決策を考えたいのですが、悩んでいる状況が見えないうちに辞めてしまうことも多いです。一方で、請負型で仕事をしている人はすぐに転職は想定していないので、なんとかしたい、こうしたい、という意見や要望はあったりすると思うので、メンタル不調でつぶれてしまったり、社内の人間関係で悩むことのないように少しでも早く察知して、何かしら手を打てるような形にしていかないといけないと考えています。せっかく苦労して人材を採用しても1・2年で辞めてしまうことになっては社内にノウハウは残らず、会社や個々の成長にもつながりませんので、フォローをより充実させていくことと、自社のサービス・強みをどんどん育てていく、仮に人が変わっても会社の財産としてノウハウを積み重ねていくことのできる請負型を増やしていきたいというのが現在の願いです。
また、会社の文化を作っていくためには人を介さないことには成り立たないので、社員がモチベーションを持って健全な関わりをすることのできるよう、何かしらのツールなり、やり方なりを持つことが必要だと思っているところです。実際に社内の請負型を増やしていくことによって、社内でお客さまへのアプローチ営業を展開しながら、簡単なホームページやECサイトを中小企業向けに受注していく形で、コミュニケーションや人との関わりも出てきています。働き方の違いだけでなく、人によっても感じ方はそれぞれ違うと思うので、そこも意識してケアしていけるといいかなと考えています。
IT業界特有のストレスを軽減し、「メンタル不調などで潰れてしまうことなく本来の力を発揮できる環境をつくりたい」―仮想オフィスを活用してコミュニケーション活性化に取り組む
貴社の職場環境改善に向けた取り組みについて教えてください
「社員を誇れる会社に 共に成長していく会社」の理念のもと、社員の意見を取り入れながら、よりワークライフバランスを保てる働きやすい職場づくりのために、創業当初からさまざまな新制度を積極的に取り入れてきました。例えば、これまでメタバースオフィス(仮想オフィス)やオンライン学習ツールの導入、社員の満足度や働きがいを簡単なアンケート形式で把握できる各種組織サーベイなどを活用してきました。その結果、ありがたいことに「健康経営優良法人」の認定をはじめ、仕事と家庭の両立支援や、多様な働きがいを認め「はたらく人」一人ひとりを大切にする企業などの評価を受けています。

ただ、元々認定を取得することが目的だったわけではなく、前職の経験もあって労働環境のストレスやメンタル不調などで潰れてしまう人たちをたくさん見てきたので、それを少しでも軽減して本来の力を発揮できる環境をつくりたいという想いと、また、業界的にありがちな会社と人材が案件をこなす「契約」だけの関係ではなく、人と交わりながら社員も会社もともに技術を高めていく環境を目指したいと考えていたことから、さまざまなツールを導入することでその実現に近づけていきたいとの思いで取り組んできたことでした。まだ会社としては、評価制度や各自のキャリアプランに沿った目標設定も一部試験的に始めたばかりで、一定のルールや仕組化ができていない段階ですので、まずはもう少し地に足をつけた形で社員がより安心して働ける環境をつくっていくことや、これまでの取り組みの目的が浸透しているか、それが本当に健全かなどの検証が必要なのかなと感じているところです。
弊社では社員がそれぞれの就業先(お客様先や在宅、自社オフィスなど)で作業しているため、仮想オフィスやオンライン上での話しかけやすさを利用して、社員間のコミュケーションを円滑にしようと試みてきました。仮想のオフィスにログインするとそこにキャラクターが表示されるので、例えば、聞きたいことがあれば手が空いている様子を見計らって手を振ってみるなど、コミュニケーション手段として活用しています。

実は一時期、社員の心のケアを目的に外部の専門家に依頼をして仮想オフィス内に「大人の保健室」をつくることを検討していました。今はまだ会社の規模が小さいので、社長の私にも直接気軽に相談してもらえる関係性を築いていきたいと思っているのですが、そうはいってもなかなか社長には相談しづらいという気持ちも確かにわかりますし、それもあって私以外のもう少し相談しやすいポジションの人をつくることや外部委託も検討して動いてみましたが、そもそも日頃から業務以外のことも含めて気軽に話をできていないと、いくら窓口を置いたとしても結局はオンライン画面上なので、悩んだ時に相談に行けないですよねと、社労士の方とも色々と議論を重ねました。まずは多様な年代や経験などが異なる中でも相談しあえる、雑談でもいいのでそれぞれが気軽に会話できるよう信頼関係を築くことが、悩みや困りごとがあった時にもその一声を出せることにつながると思っています。実際に雑談タイムなども設けていますが、任意参加の場なので、どうしても全社員が揃うことは少ないですし、日頃の雑談やコミュニケーションを積み重ねることがまずは大切だと考えています。ほんの些細な悩みや対応に困っていることを少しでも早く感じ取れる関係性や機会があれば、相談ごとに発展する前に、また違った対応ができる可能性もありますよね。その人の中で問題が大きくなり離職につながってしまう前に、それぞれの意見をくみ取ることもでき、改善点を話し合えるかもしれない。意見を言ってもらいながら職場環境改善に取り入れていけるといいなと思います。
なので、今後も日常のコミュニケーションの強化と併せて、サーベイのように言葉で書かなくてもいいような、例えば「今の気分は?」など気分をステータスで表わす方法や、日々の気持ちの浮き沈みを見るだけで心身の健康やモチベーションなど状態を把握できるツールを組み合わせていけると、話しかけるタイミングや話題、きっかけになると思うので、継続、またはよりよいツールがあれば新たに導入もして、活用したいと考えています。

業務効率化についても、現在はリモート環境が多いですが、オフィスでの作業であっても、岐阜・名古屋・大阪と拠点が離れているため、全社員が一度に介することは基本的には仕事上ないわけです。だからこそリモート環境でできることを上手く生かして、工夫していきたい思いがあります。社員の福利厚生や働く環境を含めて、リモートであっても基本的には出社しての作業や人間関係、やり取りの延長かなと思っていますので、リモートを鑑みつつもう少し踏み込んだ形で、働く環境やそれぞれのモチベーションを保ちながらより効率的に仕事をするにはどうしたらよいのかを考え、規模に合わせて整えていきたいです。実績ややり方などの工夫はどんどん追求していかないといけないと思っているので、それが現在の課題ですね。
また、私自身がもう少し一人ひとりの社員ときちんと会話をしながら、ケアしていけるようにしていきたいと考えています。月1回の面談の中では、将来のキャリアプラン・ライフプランの共有をしていこうとしています。仕事での目標設定は、ほとんどの会社では単純に「業績目標を立てて、その中で目標設定してください」としているかと思うのですが、それだとその枠に収めようとしてしまい、自分の目標も業務や会社の枠に合わせようとしてしまう。でも本来は、誰しも自分の人生の一部、ライフプランの中で仕事をどうしていきたいか、があると思います。いわゆる会社の枠を超えた自分の設計をして欲しいなと。やはり自分の興味持った分野で仕事をしていくためには、会社から言われてやる仕事よりも自分で考えながら進んでいく方がモチベーションを持ってやっていけると思います。自分の目標値と会社の目指す方向とがリンクしてくると本当はベストですよね。そうすると会社との目標の共有化ができるかなと思います。例えば、弊社が導入しているオンライン学習ツールも「何のため勉強するか」という動機がなければたぶん活用しないですし、「将来こうなりたい、〇歳までにどのポジションに就きたい、どのような仕事がしたい。だからこれが必要」という、自分にとって必要な経験や学習を通して、自分の付加価値を上げてもらうためには動機付けがないと行動に紐づいていかないと思っているので、一緒に会社をつくっていく当事者同士として、それぞれの社員に取り組んでいけたらいいなと、少しずつでも社内に浸透していくことを願っています。
長時間労働やメンタル不調が多いといわれるIT業界で、社員が潰れないようにする。実際にストレスチェックなどを活用して、そうならないように対策していくのも大事ですが、潰れてしまった人も私はこれまでたくさん見てきました。お話ししてきたように、離職・転職に慣れてしまっている人も多いのが現状です。しかし、本来は一度不調を起こしてしまった人たちに対しても、その後の復帰の道筋がなくなってしまうことは避けたいと思っています。仮に潰れてしまったとしても、本人に寄り添い、復職できる・ケアできる環境を作っていきたい想いは強くあります。いずれ会社として大きくなったら、就業中の社員だけでなく、休職中・復職を目指す人たちへのケアも一緒にできるような環境を整えていきたいと考えています。
ストレスチェック大賞 2024:業界・部門別優秀賞受賞
ソシキスイッチ ストレスチェック
(旧称AltPaperストレスチェック)お申し込み・ご相談 お気軽にご相談ください
- キットのみも
ご購入いただけます - キットを購入する