導入事例

教職員らのメンタルヘルス向上に向けて、学校法人のストレスチェック活用先行事例を作りたい / 北鎌倉女子学園中学校高等学校

北鎌倉女子学園1_今泉仁様・松前由樹子様

紙版教育,学習支援業〜60人

北鎌倉女子学園中学校高等学校

2020年度校長 今泉 仁 様 / 2020年度養護教諭 松前 由樹子様

※当インタビュー記事は、2020年2月14日の取材内容をもとに構成しています

創立80周年を迎えた「学校改革」の一環として、ストレスチェックを職場環境改善に活かしたい

「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービス導入の背景を教えてください

 当校は、2020年に創立80周年を迎えた中高一貫の女子校です。
 大切な生徒をお預かりする教育の場として、伝統的に校則をきちんと設け、生徒だけでなく教員に対しても適切な服装や振る舞いを求めてきました。

北鎌倉女子学園・2020年度校長 今泉仁 様
 2017年頃より「学校改革」に取り組んでおり、それに合わせて、ストレスチェックも実施してきました。改革をする際には、教職員の皆さんのご意見を聞きながらも、ある面ではトップダウン的になってしまわざるを得ないところがあります。方向性を示してご協力くださいとしてしまうと、その方向に関して、期待感・やりがいを持って賛同されている方はさほど大きなストレスとならないかもしれませんが、ご自身の中に大変だという思いを募らせてしまうとストレスの原因になってしまう場合もあると思います。また、教員の仕事は多岐にわたり、厳密には勤務時間の調整などだけで対応できるものではありませんし、その先生の適性・特色によってお願いする業務も変わってきますので、負担感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれないと思っています。職場全体として変えられる問題に対しては、できる限り対応していきたいと考えて改革を進めているところです。

弊社ストレスチェックサービス採用の決め手は何だったのでしょうか?

 現在50数名の教職員がいるのですが、以前お願いしていた業者さんは「50名以上は100名の金額」ということで、費用にかなりの差が出てきてしまいました。そこで予算を変えずに実施できないものかとインターネットで調べたところ、「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスに出会いました。当時、2年契約キャンペーンでコストを落として対応していただけるとのことで、2017年からお願いしています。

 また、以前は多言語対応がなかったので、英語ネイティブの先生方4名には、説明をする手間がかかっていましたが、「ソシキスイッチ ストレスチェック」は英語対応もしていただけるので、同じものを英語でやっていただけるのは本当にありがたいです。

 

教員が生活面の不満をため込まない場づくりを!
生徒たちを育てる大事な土台は「教職員の健康とやりがい」

実際に「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスをご利用いただき、いかがでしたか?

 実施者としては、自分で結果の集計をする必要もなく、依頼後はすべて対応していただけて、納品も2~3週間くらいで届き、さらに配達日の指定もお願いできたので、やり取りはすごくスムーズでした。回答者も、特に不明点などなく進められたのではないかと思います。分析結果がグラフ付きでわかりやすくまとめられているので、教員自身が個人の結果を見て振り返るだけでなく、管理職側としても対応を見つめ直すのに役立っているのではないかと思います。

北鎌倉女子学園・2020年度養護教諭 松前由樹子 様
 管理職は個人結果を直接見ることはできないので、例えば「昨年に比べて高ストレス者が増えている」といった結果が出た場合に、産業医の先生と相談をしてストレスをため込まないように対応を考えていくことはお願いできるのですが、やはり個人への対応にならざるを得ません。そこで、職場全体としてどんな対応ができるか、どのように改善していけば教員の不安や不満を取り除けるのか、そういった目的で当校では集団分析を活用しています。どういったデータが出ていて、本当に至急改善しなければならないところはどの程度あるのか、考えなければならないことがありますね。

 高ストレス者の方は実際には少ないのですけれども、確かにいらっしゃいます。面接を受けるかどうかはご本人の判断ですが、個人情報に十分配慮しながら、産業医と連携しています。当校の産業医は教員の健康診断の内科健診で学校に来てくださっているので、教員の顔と名前が一致しています。なので、高ストレスとはいかないまでも、ストレス判定が一定基準以上であれば、実施者と産業医の先生の間でやり取りをしています。そうすると、「ああ、あの先生はお子さんが何人いて、何々で……」とか、そんなお話もしながら、「じゃあ今度うちに来たときに話を聞いてみようか。確か予防接種で来る予定があったはずだから」など、先生の方も対応してくださっています。

今後の「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスの活用についてお聞かせください

今泉校長と松前様
 ストレスチェックを実施する際に、なかには気を遣って回答する方もいるんですよ。項目を見て、こう答えたらこういう結果になるだろうなと、忖度して「いい子」になってしまうのですね。教員研修を実施したときも、こちら側の意図を組んでよい方向に話をするんです。そういった意味では、一つにまとまりやすいという面もありますが、逆にその文化に入り込めない人はストレスを抱えてしまいがちな傾向にありますね。それと、先生方は自分のストレスは自分でコントロールできていると思われている部分があるので、初めてストレスチェック実施をした当初は、敢えてしなくても…という意見もありました。ストレスチェック以外にも学校衛生委員会などの開催も含めて、生活面の不満をため込まずに出せるような場を設けていますが、改善の余地はまだまだあるなと思います。

 また、学校改革のなかで、就業時間の調整や、部活動の活動日数の制限などを導入し、以前に比べると6日間フルに働いているわけではないので、少しは余裕が出てきているのかなとは思います。しかし、やはり制度を整えても難しいのは、やりがいを感じているかどうかです。それによって仕事の負担感や改革・変化をストレスと感じずに前向きに捉えてもらえるかどうかが大きく違ってくると感じています。

 業務内容が多岐にわたる教員の仕事は、授業だけではなく生徒指導が主ですので、悩みやストレスを抱えている生徒がいたとしても、その状況は一人一人違います。教員がそれを一人で抱え込んでしまうと当然ストレスの原因になってしまいますから、できるだけチームを組み学年で情報交換をして、ケースバイケースで対応しています。学校運営業務に関しても、極力一人に集中しないように分散化しようという動きでやっていますね。また、もし体調を崩されてお休みをされる場合にも、養護教諭と相談して、特別有休や出勤停止など医師の許可が出るまで安心してお休みいただけるように工夫するなど、できる限りのことはしたいと考えています。学校という職場が、働く方々に対して少し配慮をしていると捉えていただければ、ストレスも多少緩和できるかなと思います。
学校経営の立場から考えると、教員・教職員はなによりも大事です。もちろん、まずは生徒が第一になりますが、やはり先生方、事務員、あるいは用務の方がいらっしゃらなければ生徒たちを育てる環境が作れないので、そのベースにあるのは教職員なのだと思っています。

 

休憩スペースの新設で、教員と生徒の距離も近くなりコミュニケーションも良好に

貴校の「メンタルヘルス対策」の取り組みについて、工夫していることや実施してよかったことなどがありましたらお聞かせください

交流を生む開放的な空間設計が施された同校職員室
 当校では、メンタルヘルス対策の一つとして、校舎のリニューアルに伴い教員の休憩室を新しく作りました。伝統的に厳しい校則を設けていた当校では、教員に対してもきちんとした服装・生活態度を求めてきたので、かつては職員室でコーヒーを飲むことも許可していませんでした。それが休憩スペースを設けたことで、先生たちがある程度くつろぐことができるようになりました。また、職員室・休憩室の位置を工夫しオープンにしたことで、先生たちが仕事をしている様子も今まで以上に見える形になり、生徒との距離も近くなりました。くつろぐときにはくつろぎ、やるべきことはやるという姿を生徒たちは日々見ているので、生徒の校則も融通を効かせながら、時代に合わせて対応できるようになりましたね。先生たちの意見を取り入れながら、職員室のレイアウトを考えたことで、以前よりももっと生徒とのコミュニケーションが取りやすくなり、関係性も深まってきているのではないかと思うので、私はこれがとても良かったと感じています。

 教員側も自分が頑張っていることが生徒のためになっているという気持ちが持てるようになったと感じていますし、そのように考えてくださっている先生がほとんどですから、そういった意味でのストレスは少なくなったのではないでしょうか。
ただ、もちろん、それぞれの先生方、個々人も色々なストレスがありますから、業務や文化に合う・合わない、得意・不得意などもあるでしょうし、よく言われているES(エンプロイー・サティスファクション)に関しては、やはりやりがいを感じているかどうかも大きく関係してくるところだと思いますので、引き続き、組織全体として改善できることに取り組んでいきたいと考えています。

※当インタビュー記事は、2020年2月14日の取材内容をもとに構成しています

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