ストレス負荷が高い職種ならではの健康づくりと、性別・年齢・社歴に関係なく活躍できる職場づくりに挑戦。タガログ語対応で外国人実習生のメンタルケアにも配慮 / 菱栄設備工業株式会社
菱栄設備工業株式会社
代表取締役 澤田 達史 様
決め手は「多言語対応」と「ペーパーレス化」。80項目版ストレスチェックで、自社のストレス度合いと向き合う
「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービス導入の背景を教えてください
![菱栄設備工業株式会社 代表取締役 澤田 達史 様 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像02](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/5211256b1513d549cc81f3183a044237.jpg)
産業医の先生からストレスチェックをやってみてはという話を受けて、当時はストレスチェックをどのような手順で進めるのか分かる者が社内にいない中で、初めての実施とあってネット検索でいくつかサービスを調べて検討したのがきっかけです。
ベトナム人とフィリピン人の実習生が何人かいたので、多言語対応が可能で、かつペーパーレスで実施できるサービスを探していました。
弊社ストレスチェックサービス採用の決め手は何だったのでしょうか?
![菱栄設備工業株式会社 代表取締役 澤田 達史 様 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像03](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/3d415695edd34d398ddc6cdf1f7a20e9.jpg)
ベトナム語の対応があるところは割と多かったのですが、タガログ語での受検は難しいとのことで、他の会社さんからは断られてしまって。実習生は英語も堪能だったのですが、違う国で働いていることのストレス負荷は高いのではないかと思ってメンタルケアを第一に考え、母国語で受検できることはサービス選定のポイントの一つにしていました。情報基盤開発さんの「ソシキスイッチ ストレスチェック」はタガログ語にも対応していたのは大きかったのですが、ペーパーレス(WEB受検)で実施できて、受検状況の把握がしやすいことも魅力でした。情報基盤開発さんの営業担当の方の説明が大変分かりやすかったこともあり、「ソシキスイッチ ストレスチェック」を選ばせていただきました。
その上で57項目版と80項目版、どちらで実施するか社内で相談したのですが、建設業という職種上、心身のストレス負荷は非常に高いのではという話になり、せっかく実施するなら精神的負担がより把握できる方がよいと考えて、初年度から80項目版でストレスチェックを実施しています。
初年度から高い受検率を維持。2年目は業務の違いを考慮し、集団分析のグループを追加。社内の取り組みの効果に期待
実際に「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスをご利用いただき、いかがでしたか?
![工事用車両の操作や配管設備や部材の搬入出作業など、心身のストレス負荷が高い作業も 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像04](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/3c929d846baf3e9de6703c445e4a5937.jpg)
ストレスチェックは任意回答なので、受検率が低かったらどうしようかという不安がありました。実際に実施してみると初年度から9割を超える社員が受検し、思っていた以上の結果で安心しました。分かりにくいという声も上がってこなかったので、比較的スムーズに実施できたかなと思います。ただ、当社は50~60代の社員も多く、初回は多少苦労していた方もいたようです。ですが、それも若い社員でサポートして無事解決できたので、一度経験すれば次年度も対処できるだろうと特に問題にはなりませんでした。
基本的には会社支給のスマートフォンで回答する社員が多く、職人や普段現場に出ている方などスマートフォンを持たせていない社員には会社に来てパソコンで受けていただく形を取りました。2年目はさらにITの普及が進んだので、より多くの社員がスムーズに受検できたように感じています。回答期限を通知するリマインドメール機能も一度活用しましたが、休職者などを除きほとんどの社員がすでに回答を終えていたようです。実施事務担当者としても最初に受検期間を伝えるのアナウンスを流したあとは特に催促する必要もなく、ストレスチェックを受ける側も大きな負担感なく回答できたのではと感じています。
今後の「ソシキスイッチ ストレスチェック」サービスの活用についてお聞かせください
![菱栄設備工業のオフィス内の様子 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像05](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/12ffa5f3543759d2bfd1e6e368721899.jpg)
当社の社風として、「新しくてよいものがあればどんどん変えていこう」という新たなシステムや取り組みも積極的に受け入れる雰囲気があるので、ストレスチェックの導入・WEB実施へのストレスも特になく、すんなりと受け入れられたと感じています。また、ちょうどストレスチェックを導入して以降、さまざまな角度から職場環境改善に取り組んでいますので、今回のストレスチェックではそれら取り組みの効果が実施結果に出始めているのではないかと考えています。
集団分析のグループ分けについては、初回の結果を踏まえて、実施2年目は集団を1つ追加しました。当社は倉庫で作業をする部門もあるのですが、内勤(事務部門)の方とはまるで働き方が違うので、おそらく感じるストレスも異なるのではないかと思い追加で分析を行うようにしました。その他にも新たな対応の必要も出てきていますので、今後も変化や現場の声に耳を傾けながらストレスチェックをより効果的に活用していきたいと思います。
「若手の活躍」「女性の活躍」「外国人の活躍」の3本の柱。年齢や社歴、性別や国籍に関係なく活躍できる職場を目指し、挑戦を続ける
貴社の職場環境改善に向けた取り組みについて教えてください
当社は創業40周年を迎えた機械設備工事会社です。創業当時より一貫して住まい、特にマンションを中心に衛生設備・換気設備・空調設備など、機械設備工事の専門業者として実績を積み重ねてきました。
![現場監督と職人の「橋渡し」役となる存在の育成、新人教育にも力を入れている 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像06](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/a02722ee42a379e02515a435f3ad218e.jpg)
当社の社員は変化を恐れず、新しいことに挑戦していく集団だと思っています。会社としても2022年4月より、社内の風通しをよくすることを目的として、さまざまな取り組みを始めています。例えば、以前は経営者側と労働者側に壁があったのですが、その隔たりをなくすために、まずは年齢や性別、国籍の違いに関係なく「やる気があればどんどん挑戦していってほしい」という思いで声かけをするところからはじめました。また、適材適所で役職者を決めて、グループごとにある程度権限持たせていく方向に変えていく取り組みを進めています。
建設業の会社なので、どちらかというと「全員がプレイヤーで現場に出る方針」でこれまでは進んできたので、役職者というものがほとんどいなかったのですが、人数が増えたこともあり改善の必要を感じ、働き方改革に向けた勤怠管理や既存のソフトウェアの見直しなどと併せて急ピッチで進めている段階です。その結果、社内の雰囲気も大きく変わり、各課同士の交流や意見交換も増えたように思います。
特に職人が所属する「施工課」と、現場監督のいる「工事課」の交流はとても活発になりました。当社は現場管理・施工ともに自社で一貫して行っていますが、これは機械設備工事業の中では非常に珍しいことです。職人と現場監督は水と油といいますか、現場監督としては図面通りに施工してもらわないといけない、逆に職人としてはこんな図面では仕事ができない、とお互いの立場上、あまり仲良くとはいかないのが通例でした。それが新たに課長を選任し、両課の間に入ってもらうことで交流がすごく増え、大きな変化を感じています。このように、橋渡しとなる存在の育成や新人教育にも力を入れているところです。
![当社の社員の3人に1人は女性で、多様な人材が活躍している職場 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像07](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/076a28b47dab5c3bd4b4b826019fe9d5.jpg)
また、有難いことに、新卒採用に関しても結果が出ています。建設業の会社の多くは1人も入ってこないのが当たり前の状況の中で、当社は毎年5~7人の間で新卒者を迎えることができており、中途採用も含めるともう少し多くの新入社員が入社しています。特にここ3年以内では、新卒で入社した社員の離職者は1人も出ていません。
以前は事務員の離職が目立っていました。直接話を聞いてみたところ、単純作業が多く仕事がつまらないと感じていた方も多かったようでした。そこで現在は、業務の割り振りの工夫に加えて、採用された部署・職種にこだわらず、例えば事務員でも工事系の業務やCADオペレーターの仕事、採用業務など、希望があればどんどん率先的に挑戦することができるようにしています。年2回の社長面談や、部署ごとに話を聞く機会を設けることで、各社員のキャリアプランや将来の希望などを聞き取りながら業務分担を考えていくようにしています。
![部門・業界別優秀賞の受賞楯と「LOVOT」を手にする澤田代表 菱栄設備工業株式会社:導入事例画像08](https://www.altpaper.net/wp-content/uploads/2024/11/f30b4c572739977ae691fe7676c575ea.jpg)
親会社(株式会社四電工)からの要請で、賃金ベースアップにも以前より取り組んできました。ちょうど2年前からは、賞与を通常の2回に加え、決算賞与という形で計3回に分けて支給することにしました。求人採用でよりインパクトのある形・目に見える形できちんと社員に利益還元していこうというねらいもありましたが、ストレスチェックの集団分析結果で「報酬面の満足度」にも表れているのかもしれないとのことですので、ある程度満足していただけているのであれば、良い方向に捉えてもらえた結果かもしれませんね。
今年は新しい社屋を建てたのですが、その目的は外国人実習生のための寮と、研修に活用できる研修場の設置です。そこへ、現在特に研修に重きを置いている工事部全体を本社から移転する計画です。これまで培ってきた教育プログラムや取り組みの成果がより発揮できればと思っています。業界の外国人実習生の居住環境に課題を感じていたこともあり、新設した当社の寮は一人一部屋をきちんと確保しています。実習生といえども、「技術を習得するために日本で働かせてあげる、ではなく、日本へ経験を積みに来ていただく」という気持ちです。
建設業は男性ばかりが活躍するイメージがあるかもしれませんが、当社の社員の3人に1人は女性で、多様な人材が活躍している職場です。当社では、年齢や社歴、性別や国籍に関係なく活躍してもらえるよう、「若手の活躍」「女性の活躍」「外国人の活躍」の3本の柱を心に留めながら、心身の健康管理と社員教育を充実させて、今後より一層、働きやすい職場づくりに力を入れていきます。
〔外部リンク〕» 菱栄設備工業株式会社のWebサイトへ
※当インタビュー記事は、2024年に行った取材をもとに構成しています
ストレスチェック大賞 2024:業界・部門別優秀賞受賞
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