「交通管理のプロ集団」として、交通管理、道路管制、法令違反車両取締等の業務を通じて、高速道路の安全を守る同社。担当者は、社員の健康は高速道路、そしてその先のお客さまの安全につながると考え「心と身体の健康はまず第一歩」という想いがあると語る。

　道路管制センターから指令を受け出動する交通管理隊員として、基本2人1組で任務にあたるため、日頃のコミュニケーションは欠かせない。加えて、各基地（拠点）の隊長が現場の様子を把握し、もし隊員に変わった様子があればすぐに声かけ・相談できる関係性は整っているという。現場では命の危険や人の命を預かる緊張感の高い仕事であるからこそ、基地に帰ればホッとできるよう心がけているといい、身体的負荷は高いが職場のメンバーでフォローし合う体制があることが、ストレスチェックの「総合健康リスク」の良好さにもつながっているのではないかと話していた。

　また、健康経営や「ダイバーシティ経営」、研修等にも力を入れており、社内・外に向けた取り組みを「経営計画チャレンジV（5か年計画）」としてまとめ公表している。例えば、お客さまアンケートを通じて寄せられた声の中から、毎月「特に感動が伝わったコメント」を選出し「CS感動賞」を授与することで日々の活動に報い、モチベーション向上を目的として実施している。他にも、役職関係なく社内の「気づき」を提案すると丁寧な回答が返ってくる「pato(パット)メモ」という制度もあり、風通しの良さも大切にする様子が窺え、これらが社員のやりがいにつながっているのではないか、とのことだった。これらの活動は10年以上続けているそうだ。
　最近はハラスメント対策や女性活躍の推進にも力を入れる。女性隊員が働きやすい職場環境・制度の整備は、社員全員のためになると考え、研修や座談会を定期的に進めているところだ。2018年に3人だった女性隊員は現在14人になったが、妊娠・出産・職場復帰の前例が少ない中、男性の育休も話題にしつつ、理解促進と環境作りに取り組んでいるという。

　2017年に会社として健康経営を宣言して以降、社員の健康を推進し企業価値を高めることを目指して、AI健康アプリの活用や健康診断・人間ドック100％受診、オプション検査の補助なども開始。ストレスチェックの全員実施を目標に掲げるのもその一環だという。日頃から規律・統制のある風土・コミュニケーションの土台もあり、受検率は高く「高ストレス者」も少ないが、今後は集団分析結果をきちんと活用し、面接勧奨の仕方やストレスを未然に防ぐ方法はないかと模索しているとのこと。これまで実施してきた取り組みをより細かくブラッシュアップし、新たな対策も視野に入れながら従業員のメンタルヘルス対策をさらに進めていきたいと話す。

　一瞬の油断が大きな事故につながりかねない緊張感ある現場の仕事をこなすためには、過度なストレスがなく心身ともに健康な状態が求められる。まずは自分や仲間を守ることができてこそ、高速道路を利用するお客さまを守ることにもつながっていく。24時間365日、高速道路の安全は、こうした現場の想いによって支えられている。

受賞法人ご担当者からのコメント

受賞法人の「ソシキスイッチ ストレスチェック」導入事例